土俵際で200キロ近い巨漢を豪快に持ち上げる「怪力無双」の相撲で、大相撲ファンを熱狂させた元大関・栃ノ心剛史。ヨーロッパの小国ジョージアから単身来日し、幾多の苦難を乗り越えて大関まで上り詰めた男の生き様は、いまなお多くの人々の記憶に刻まれています。
2023年の現役引退から時を経て、髷を落とした彼は今、まったく異なるフィールドで第二の人生を切り拓いていました。日本と祖国を繋ぐビジネスの最前線に立つ元大関の引退理由、感動の断髪式の裏側、そして再婚相手である現在の妻との私生活まで、その知られざる真相を徹底取材しました。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:度重なる右膝の大怪我が引退の決定打となり、2023年夏場所に17年間の土俵生活へピリオドを打った。
- 要点2:相撲協会には残らず、伝統製法による「ジョージアワイン」の輸入販売ビジネスを手がける実業家へ転身。
- 要点3:私生活では日本人女性と再婚し、新たなパートナーと共に日本を拠点とした精力的な活動を継続中。
【角界屈指の怪力】栃ノ心剛史の華麗なる経歴と「吊り出し」伝説
ジョージアの古都ムツヘタ出身の栃ノ心が、名門・春日野部屋に入門したのは2006年春場所のことでした。柔道やサンボで培った強靭な足腰と、背筋力300キロとも称された圧倒的なパワーは入門当初から群を抜いており、初土俵から順調に関取へと駆け上がりました。
栃ノ心の代名詞といえば、相手の上手をがっちりと引き付け、土俵の外へと高々と持ち上げて運ぶ豪快無比な「吊り出し」です。巨漢力士が宙に浮くド迫力の取り口は、両国国技館の観衆を一瞬で総立ちにさせました。
最大のハイライトは2018年1月場所でした。平幕の地位から快進撃を続け、14勝1敗という圧倒的な成績で幕内最高優勝を達成。ジョージア出身力士として史上初の賜杯を抱いた瞬間は、母国でも国を挙げた大ニュースとして報じられました。その後の春場所・夏場所でもハイレベルな白星を積み重ね、満場一致で大関昇進を果たしたのです。
【引退理由の真相】限界を迎えた右膝の怪我と決断の舞台裏
栄光の影で、栃ノ心の現役生活は常に激しい肉体の激痛との戦いでもありました。最大の転機となったのは、大関昇進前の2013年名古屋場所で負った右膝前十字靭帯断裂の大怪我です。
関取の地位を失い、一時は東幕下55枚目まで番付を落としながらも、懸命なリハビリを経て幕内、そして大関まで這い上がった不屈の闘志は角界の語り草となっています。しかし、ボロボロになった膝の代償は想像以上に重いものでした。
大関から陥落したあとも前頭で相撲を取り続けましたが、晩年は代名詞の怪力を支える下半身が言うことを聞かず、テーピングとサポーターで固めた右膝は限界に達していました。「自分の相撲が取れなくなった」と本人が語った通り、心技体のバランスが崩れ、2023年5月場所の5日目をもって現役引退を決断。17年間にわたる激闘に静かに幕を下ろしました。
【感動の断髪式】髷との別れと師匠・春日野親方が託した思い
現役引退から約9ヶ月が経過した2024年2月4日、両国国技館にて引退相撲および断髪式が盛大に執り行われました。会場には元横綱・白鵬(宮城野親方)をはじめとする角界関係者やジョージア駐日大使など、約300名もの錚々たる顔ぶれが鋏入れに駆けつけました。
止め鋏を入れたのは、入門から我が子のように厳しく、温かく育て上げた師匠の春日野親方(元関脇・栃乃和歌)でした。大銀杏に最後の鋏が入った瞬間、栃ノ心はこらえきれずに大粒の涙を流し、土俵への深い愛着と師匠への感謝をにじませました。
整髪を終えてファンの前に再び姿を現した栃ノ心は、黒のタキシードにオールバックの精悍なヘアスタイルへと変貌。その端正な顔立ちと堂々たる立ち振る舞いに、館内からは大きなどよめきと温かい拍手が送られました。
【実業家への転身】ジョージアワインを日本へ広める現在の仕事とは
大相撲の世界では、大関経験者が引退後に親方として日本相撲協会に残るケースが大半を占めます。しかし、栃ノ心は年寄株を襲名せず、相撲界を完全に離れる道を選択しました。彼が選んだ新たな職業は、母国の特産品を日本に紹介する実業家でした。
彼が情熱を注いでいるのが、約8000年の歴史を誇り世界最古のワイン醸造発祥地とされる「ジョージアワイン」の普及事業です。伝統的な土瓶「クヴェヴリ」を用いて醸造される琥珀色のオレンジワインや芳醇な赤ワインを厳選し、日本国内の飲食店や百貨店、各種イベントに向けて展開しています。
単なる名前貸しではなく、自ら全国のワイン催事場や試飲イベントの店頭に立ち、来店客へ直接ワインの魅力を解説する姿が頻繁に目撃されています。角界随一の知名度と流暢な日本語、持ち前のフレンドリーな人柄を活かした営業活動により、ジョージアワインの認知度は日本市場で急速に高まっています。
【私生活の現在】再婚した日本人妻との絆と新たな家庭生活
ビジネスで成功を収める栃ノ心ですが、その原動力となっているのが家庭の存在です。彼は来日前に幼馴染だったジョージア人女性と結婚し一女をもうけていましたが、長年のすれ違いなどを経て現役時代に離婚を経験していました。
その後、現役引退前後の苦しい時期を精神的に支え続けたのが、再婚相手となった日本人女性(エイコさん)でした。断髪式でも公の場に登場し、晴れ舞台を陰で支える姿が関係者の間でも話題を呼びました。
怪我に苦しんだ現役末期から引退後の実業家への転身に至るまで、細やかなサポートを提供し続けた妻の存在は、日本に骨を埋める覚悟を決めた栃ノ心にとってかけがえのない精神的支柱となっています。異国の地で孤軍奮闘してきた怪力力士は今、最良のパートナーとともに温かな家庭を築いています。
【栃ノ心剛史】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:栃ノ心は現在、日本相撲協会に残っているのですか?
A1:日本相撲協会には残っていません。親方として後進の指導にあたる道は選ばず、日本とジョージアの架け橋となる実業家としてワインの輸入販売事業を営んでいます。
Q2:栃ノ心が輸入しているジョージアワインはどこで購入できますか?
A2:公式オンラインショップをはじめ、全国の主要百貨店で開催されるワインフェアや各種物産展で購入可能です。本人がブースに登場して販売イベントを行う機会も多く設けられています。
Q3:引退後にメディア出演や相撲解説の仕事はしていますか?
A3:バラエティ番組やトークショー、スポーツ関連の特別企画などにゲスト出演することがあります。堪能な日本語と明るいキャラクターを活かし、マルチなタレント性を発揮しています。
まとめ:日本とジョージアを繋ぐ怪力レジェンドの新たな挑戦
土俵の上で数々の奇跡を起こした栃ノ心剛史。幕下転落からの大関昇進、そして初優勝という波乱万丈の土俵人生は、多くの相撲ファンに不屈の精神を教えてくれました。
まわしを脱ぎ、スーツを身にまとった現在の彼は、大好きな日本と母国ジョージアを結ぶ民間外交官として、新たなステージで力強く躍動しています。土俵で見せたあの熱い闘志そのままに、ビジネスの世界でも人々に喜びを届け続ける栃ノ心の今後に、さらなる熱い視線が注がれています。 (出典: 栃 ノ 心 剛史(Yahoo!ニュース))